毎年7月の中旬の土・日曜に、武豊町の武石神社で大足蛇車まつり(おおあしじゃぐるままつり)が開催される。昼には地区を蛇車と呼ばれる山車が曳き廻され、夜になると豊石神社に曳き込まれた山車の上から蛇が火を噴くように手筒花火が山車の屋根で振り回される『蛇ノ口花火』が奉納される。『蛇ノ口花火』は、衣浦湾に棲む龍神の娘が人間に化身し、若武者に想いを寄せる。結ばれぬ恋に娘は命を落とすが、この娘こそが豊石神社の祭神で、その霊を慰めるためのからくり花火と伝えられている。山車は1796(寛政8)年に旧知多郡大谷村(現在の常滑市大谷)が大工善兵衛に依頼して制作したもので、1839(天保10)年に旧大足村が購入した。ちなみに武豊という町名は明治11年、長尾村と大足村が合併したとき、両村の氏神である武雄神社と豊石神社から一字ずつ取ったもの。