恋路沢から鬼怒川右岸尾根縦走(2008年12月)
年月日: 2008年12月13日(土)
目的: 鬼怒川右岸尾根縦走
出発地点: 逆川林道ゲート
到達最高地点: 963.9mピーク
到達最遠地点: 同上
天気: 曇り
歩行開始時刻: 10:13
帰着時刻: 15:17
総所要時間: 5時間04分
遭遇した動物: なし
行程: 逆川林道ゲート出発(10:13)〜恋路沢林道分岐(10:47)〜調整池方面への分岐(11:08)〜調整池(11:24)〜963.9m三角点(12:11)〜廃林道終点(12:38)〜一本杉(13:05)〜丸山山頂(13:12)〜905mピーク(13:31)〜893.8m三角点(13:58)〜637mポイントで恋路沢林道に復帰(14:33)〜車に帰着(15:17

土曜日は晴れ間が期待できそうとのことだったので釈迦ヶ岳にでも登って今年の山歩きを締めくくろうと計画したものの、曇り空で起き上がる気力無し。曇り空で歩いても惜しくない未訪の場所として鬼怒川温泉西側の尾根に着目。今年1月に恋路沢ハイキングコースを歩いた時は一本杉近くのピークを訪問しただけだったので、ヤマビルの出ないこの時期に恋路沢の調整池奥から尾根に取り付き963.9mピークに登り893.8mピークまで縦走しようという計画である。893.8m三角点から先の行程は残り時間とハンターの存在次第。

ゲート入口には車が2台。持ち主が林業関係者かハンターかハイカーなのか不明。恋路沢林道に進むと赤いオフロード車が1台あった。これは明らかにハンターのものだが、この日山を歩いていて発砲音を聞くことは一度もなかった。恋路沢は水量が乏しく魚が棲めそうには見えないのであるがイワナの姿を多数見かけた。恋路沢には堰堤が一つも存在しない。細々とした流れでも自由に遡上降下できればイワナは種を存続できるのである。

山に登っていく恋路沢ハイキングコースと分かれて完全に涸れ沢となった恋路沢沿いの林道を進む。恋路沢調整池から南東方向の沢方面に送電線の巡視路があった(尾根上の廃林道を跨いで鬼怒川発電所方面に下っている。)。

恋路沢調整池手前  11:20 恋路沢調整池  11:24

恋路沢調整池はとても古いもので、手動の水門は錆付いて開かないであろう。調整池そのものは現役で、今回の訪問時はトンネル水路から水が流入していた。

調整池の右奥からスギ植林の尾根に取り付いた。50m程度登って取り付き部のスズタケと潅木の藪を抜けると緩やかで障害物の無い尾根を順調に登っていける。シカの角砥ぎのためかクマ剥ぎのためなのかほとんどのスギは樹皮が剥がれて商品価値が無い。スギ植林地を抜けるとスッキリとした広葉樹林の尾根となる。過去数十年人の手が入ったことがないと思われ、境界見出し標も赤テープも無い。標高850m辺りからミヤコザサの林床となる。

963.9m三等三角点  12:11 963.9mピーク北東尾根の雰囲気  12:24

軽食休憩して北東に縦走。奇妙なことにミヤコザサに被われているのは稜線部のみで、稜線から20mも下ると笹が一本も生えていない。これはどういうことを意味するのだろう。勾配の緩やかな尾根筋にのみ火山灰が積もり酸性土壌で笹が生育し、傾斜のきついところは土壌が薄くアルカリ性の凝灰岩質であるため笹が生育できないということなのか?それとも単に標高が高くて湿潤な場所だから笹が生えるのだろうか。栃木県で最も特徴のある植生分布のひとつだと思う。

地形図の実線の通りに廃林道終点に降り立った。日当たりの良い場所は茅野となり、山の北側は日陰で道がきれいに残されている。斜面から凝灰岩が崩落している場所もあるが、概ね歩き易い。

廃林道終点近くの倒壊小屋  12:42 廃林道  12:53

930mピークは今年1月に登ったので巻いている廃林道を歩いてパス。一本杉の東屋には男女のペア(男は白人)がいたが、当方を避けて一本杉方面に行ってしまったので挨拶無し。

適当な場所から尾根に取り付いて丸山に登り反対側に下っていくと、左下の林道を先ほど遭ったペアが歩いているのが見えた。彼らはハイキングコースを逆川方面に下っていった。

905mピークは印象の薄い広葉樹のピークである。笹が全く無いので丸山同様に暖かい時期はヤマビルが出るはず。方位を確認せずに漫然とヒノキ植林の際を下っていくと林道の法面上に出た。本来下るべき尾根の一つ西隣の尾根を下ってしまった。潅木がある場所を見つけて降下。

林道支線が分岐する地点の近くで再び尾根上に復帰。
893.8mピークも笹が無い。この落ち葉の下にはきっと・・・。

893.8mピークの雰囲気  12:53 893.8m三等三角点  12:58

さて、この先どうしようか。時間的に北側に縦走を続けるのは無理だし、北側の地形図も用意していない。恋路沢林道起点に向けて緩い勾配で下っている尾根を選択。地形図を一切見ることなく尾根筋をキープしてガンガン下っていった。

沢音が近づくにつれてだんだん勾配がきつくなり最後は崖みたいになって安全に降りることができない。ヒヤヒヤしながら斜面を横切ってなんとか支沢の底に降り立った。

支沢を抜けた場所は637mポイント。なんと降下予定位置とは120°も方角がずれてしまい、最も等高線の密な危険な場所を降下してしまった。よく地形図を見れば標高830mで方位磁石で進路を確認すべきだったことは明らかだ。藪山ではないので慢心してルートを検討せず、地形図・方位磁石・高度計の3点セットを一切使わず下ったのが失敗だった。曇り空で太陽の方角が判らずミツバチスタイルが通用しない条件下で、地図も方位磁石も頼らずに尾根を下れば結果はこんなものだろう。


左: 降下した支沢  
14:30(この狭く険しい沢奥に植林があるのだから畏れ入る。)

上: 637mポイント  14:33

恋路沢林道を下る途上で見た当初の降下予定地は勾配が緩くミヤコザサに被われていた。ここに降りたかったな。2008年の山歩きを気持ちよく締めくくれずちょっぴり残念。