| 年月日: 2007年8月18日(土) お盆に福島に帰省する途中、那須町で国道294号沿いにキツネノカミソリの花を見た。キツネノカミソリの開花は毎年楽しみにしている光景である。今年春に白石川奥部で見つけたキツネノカミソリの大群落が開花する様子を見てみたいので、今年はこの花の開花時期を知ることに特別な意味があった。
行くタイミングをつかめたのは良いのだが、今の時期に船生の奥部に入り込むのはかなり勇気のいる行為だ。早春は素晴らしい遊び場なのだが、5月下旬頃からヤマビルがうじゃうじゃ出てくるのである。もうちょっと涼しくなってから咲いてくれればよいものを、このクソ暑い時期にヤマビル対策の服装で山歩きしたら熱中症になりかねない。下手したら倒れてヤマビルに吸血されまくって死ぬぞ。
17日夕方から雨が降って涼しくなった。18日はアユ釣りの予定がないので、雨が上がった午後にキツネノカミソリ見物決行。降雨後なので西沢林道は部分的にぬかるんでいる。終点2km手前で道のど真ん中に置いてある通行止めの標識をずらして先に進む。この際、アブが5、6匹車に入り込んでうるさい。道は春の状況とさして変わらず、無事終点到着。すでにヤマビル生息圏内に深く入り込んでいるので、車の中で準備を済ます。
数日前、テレビでヤマビル被害の報道を見た。丹沢あたりではシカが増えすぎでヤマビルが増殖し、わんさかヤマビルにたかられた登山者が麓でヤマビルを除去。このヤマビルがはびこり、里では農作業ができなかったり風呂にはいってきたりと大変らしい。船生の奥部は栃木県でも有数のヤマビルパラダイス。笹薮が少ない山域だがシカが生息しており、シカの血を吸って増殖しているらしい。今回のヤマビル対策として、まず長袖シャツ・作業ズボン・帽子はもちろんのこと、さらに上下に合羽を着込みフードも被る。沢底で岩が滑るのでスパイク長靴を履き上部のラバー部の紐を締め、手袋もはめる。ヤマビルは靴紐の隙間にもニュルッと入り込むという。とにかく隙間を無くして、且つ二酸化炭素が服から漏れないようにした。まったく、なんちゅう格好だ。暑い時なら30分も歩けば脱水症状になりそうだ。
本日はどんよりと曇っていて谷間が暗い。ヤマビルの待ち構える薄気味悪い沢奥部へ進入。これが早春に爽やかだった場所であるとはとても思えない。中間地点で最初の群生地に至る。期待通りキツネノカミソリは咲いていた。里山で見かけるキツネノカミソリよりも花茎が長く華奢な感じだ。単に花を咲かせるだけで光合成する必要はないのだから、日陰でも花茎の長さは同じで良いと思うのだが、???
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| 白石川奥部のキツネノカミソリ 2007-08-18
15:15 ひょろっとして花弁も細い。
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一般的なイメージのキツネノカミソリ 2007-08-26
16:21 高原山・黒沢林道にて
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手持ちで撮影するには光量が絶対的に足りない。かといって、先があるし、アブもヤマビルも気になるので三脚出す気になれず手振れ覚悟で撮影。
さらに暗くなってパラパラと雨も降ってきた。逃げ帰りたいところだがこの機会を逃したら一生行く気になれないかもしれない。我慢して最奥部へ向かう。谷間が暗くてさらに眼鏡が曇っていたせいかもしれないが、最奥部に至るまでヤマビルは見かけなかった。合羽の上をわんさかピコタンピコタンと這ってくる姿を想像していただけにちょっと意外だ。でも絶対に居る!この地域で以前、多くのヤマビルを目撃しているし、そのときよりヤマビルの活動には好条件だからだ。
最奥部の斜面林は期待した通りキツネノカミソリが満開。暗い林の中でヤマビルとセットになっていると思うと、病気持ちの遊女に囲まれているみたいで不気味だ。
| 8月の白石川奥部斜面林 12:49 壮観なのだが、いままで見たことのあるキツネノカミソリの群落とは様相が異なる。これが本来のキツネノカミソリの姿なのであろう。
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大きな石の上に立って三脚を準備し、少しでもヤマビルが人の気配を感知するのを遅らせる。写真撮影するには、どうしても同じ場所に留まり膝をついたりしなければならない。写真撮影は5分程度だったと思うのだが、ついにヤマビルが出現。暗い林の中で曇った眼鏡を介して膝の上を元気良く這ってくるおぞましい姿を捕らえた。撮影中止。慌てて合羽をはたいて退散。歩きながら三脚をたたみ休まず下る。午後3時を過ぎたばかりだというのに谷は真っ暗である。合羽の上着の裾をズボンの中に入れておかなかったことを後悔。服の中に既に入り込んでいるかもしれないと思うと気味悪くて仕方がない。早く服を脱いで確認したいのだが、したたる汗で眼鏡が曇って足元が見えず急げない。ガレた暗い沢底を慎重に歩いて無事車にたどり着いた。
車に戻ってまず合羽の上着を脱いで確認。ゲゲッ、内側に居たー!アブなんてもう気にならないもんね。長袖シャツと半袖の下着も脱いでとりあえず車にあったジャケットを着込む。次いで合羽のズボンを脱ぐ。こっちも居たー!こいつらいつの間にこんなにくっついたのか?キツネノカミソリの最初の群生地で既にくっついていたのかもしれない。車に乗ってエンジンをかけようとしたら、作業ズボンの上で一匹ピコタン。慌てて車の外で払い落としたら、靴の上に落ちて靴紐の隙間にニュルリ。泣けるね。靴を脱いで叩き落とす。こんな調子ならさっき脱いだ服にも付いているかも。運転中に這ってきたら嫌だなと思い、荷台を見たら後部座席の裏側をピコタンする一匹発見。畜生〜。
西沢林道を抜けてダムサイト下の広場で入念にヤマビルチェック。幸い体にはひっついてなかった。しかし、脱いだ衣服を点検してヤマビルを4匹発見。さらに自宅に戻って再確認したら脱いだズボンに1匹残っていた(写真)。谷から脱出するのがあと10分遅れていたら確実に吸血されていたであろう。あの場所に行くには宇宙服でも着ないとダメだな。
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ヤマビル 17:15 息を吹きかけると敏感なセンサーを持つ頭部(環形動物だから"口側"という表現の方が正しいのか?)を空中に伸ばして食いつく対象物の方向を探っていやがる。
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西古屋から鬼怒川森林カントリークラブを抜けようとしたら、両側をゴルフ場のネットで囲まれた区間でパトカーを含む4台の車が停まっていて通れそうにない。どうやら軽い正面衝突があったようだ。この道走っているとモナコGPでもやってる感覚になる。仕方がないので西古屋に引き返し、別ルートで国道に抜ける際、よそ見をしていてサイドミラーを電信柱にぶつけてしまった。駆動部は問題ないがミラーが割れてバラバラ。まさか広場のど真ん中に電信柱があるとは思わなかった。あるはずがないと思い込むのが悪いところ。自爆事故はいつもこのパターンだ。修理代\2,500とのこと。シクシク。
いろいろあって大変な一日になってしまったが、念願の斜面林のキツネノカミソリの開花を確認できて満足している。なかなかお目にかかれない光景だと思うので、勇気のある方は是非どうぞ。
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