| 行程: 林道守子線・権現沢入口(07:55)〜最初の二俣(08:26)〜白糸の滝から取付き(09:48)〜尾根上到達(10:09)〜標高1470m(10:48)〜標高1670m(11:35)〜釈迦ヶ岳(12:09)〜前山(12:46)〜釈迦ヶ岳林道終点(13:29)〜連絡路〜守子分岐(13:46)〜車に帰着(14:28) 参考
GPSによる実測値ではなく、ウォッ地図から読み取った値。
| 林道・尚仁沢黒沢線の駐車地: |
北緯36度52分8秒,東経139度48分29秒 |
| 第一二俣: |
北緯36度53分1秒,東経139度48分10秒 |
| 第二二俣: |
北緯36度53分30秒,東経139度47分40秒 |
| 白糸の滝手前・尾根取り付き: |
北緯36度53分38秒,東経139度47分33秒 |
| 守子分岐: |
北緯36度52分55秒,東経139度48分1秒? |
一部の投機筋の先物取引で全世界の原油の取引価格が左右されてしまうなんてどう考えても理不尽だ。この経済の仕組みは絶対に間違っていると思うのだが、世界的に是正の動きが出る気配はない。ガソリン代が高騰したのに対抗してしばらく遠出を控えることにする。今年はまだ釈迦ヶ岳に詣でていないので、昨年果たせなかった東尾根を辿って釈迦ヶ岳に行ってみよう。
早朝は高原山の上空は晴れていたが、歩き始めた頃には曇ってしまった。山にガスがかかる気配はなさそうなので、再び晴れることを期待して尚仁沢に進入。左岸の斜面には色着き始めたコアジサイが目立つ。
9月に遡行した時より水量が少ないので、前回よりも奥まで進んでから登山靴を渓流シューズに交換。今回は釣りはやらず遡行に集中しているので、第二の二俣までがとても長く感じられた。9月に台風の影響が大きかった第二二俣手前の区間でイワナの姿を多数見た。濁流とそれに続く餌の乏しい時期をよくぞ耐え切った。
辿るべき尾根の末端は第二二俣中間にある。末端は切り立っていて取付く場所が無い。昨年は右俣を遡行してから尾根に上がってみたのだが、痩せていて危険な場所があるので当初の計画をあきらめ、沢を詰めて大間々から来る登山道に出た。今回は前回辿れなかった区間をパスしてもうすこし奥に取付くつもりである。出来れば白糸の滝の手前で尾根に上がれれば理想的だが、無理な場合は権現沢最大の滝を巻いてから取付くことにする。
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第二二俣中間尾根の登り 10:03 白糸の滝手前に大きなガレ場がある。現在進行中のものではないので、少々足元が不安定だが登っていけそうである。
中間部からガレは無くなる。渓流シューズを登山靴に履き替えてミヤコザサに覆われた浅い谷状の斜度45度以上ある斜面を登っていった。危険は感じない。
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尾根上(標高約1,250m)到着 10:09 目論見通りの場所に出た。ダケカンバ等の落葉樹と腰高のミヤコザサに覆われた明るい尾根で、辿るのは容易である。
標高1,300mで尾根が狭まるが痩せてはおらず潅木やシャクナゲの藪は存在しない。それまでと同様にササに覆われており、順調に進める。ゴヨウツツジの大木が多いのが特徴である。
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標高1,440m付近のダケカンバ林 10:44 尾根が傾斜の急な斜面に吸収される辺りからミヤコザサが背丈ほどになり少々歩きにくくなるが、獣道を利用することで労を軽減できる。
徐々に北の方から晴れてきて日光が当たるようになり爽快感が出てきた。
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標高1,470mの尾根突端付近から見る釈迦ヶ岳方面 10:48 標高1460m付近で平坦な尾根の末端に出る。剣ヶ峰の眺めが良い。スッカン沢と権現沢を隔てる尾根の向こうに1,700m級ピークの頭が覗く。
この辺りから釈迦ヶ岳方面を見るとピークが二つあるように見える。右側は標高1650mの尾根突端で、左が釈迦ヶ岳山頂らしい。この辺りも化け物みたいに丈の高いミヤコザサに覆われているが、さほど藪を漕いでいる感じはしない。
事前の地形図による検討では、標高1,550mから1,640mの区間がこの尾根の最大の難所であろうと見ていた。等高線の幅が狭いのでコメツガに覆われた岩場の存在を予期していたのであるが、現実にはコメツガも岩場も存在せず、深いミヤコザサ風のササ藪に覆われている。ところどころ不明瞭ではあるが、獣道を利用して順調に突破。
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標高1,650m 11:31 急登が終わる標高1,650mには特異点のようにコメツガの生える岩ゴツゴツの場所がある。落葉期には標高1,680m以下で唯一の、日陰のあるスッキリとした休憩ポイントである。
その先は再び胸高の笹原となる。
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標高1,670mの尾根から見る釈迦ヶ岳方面 11:35 笹薮の中に低いダケカンバがまばらに生える開放的な平坦な区間が続く。一貫して南側の見晴らしが良い。樹木が生える北側も梢越しに地形を見渡せる。
遠く北側から何台もの草刈機の音が聞こえていた。北側の大間々コースがある尾根を見下ろすと、ブルーシートが一枚あって周りに数名の人が見えた。矢板岳友会のみなさんが大間々コースのササ刈りを行っていたようである。
標高1,680m〜1,750mの区間はコメツガが生えている。ササの丈が低く、獣道が登山道の如く明瞭である。勾配が緩まると、またまた深いササ原となり、以後釈迦ヶ岳山頂まで続く。
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| 標高1,670mの尾根から見る前黒山方面 11:38 左から明神岳西峰、東峰、中央に1,620m峰、その背後に前黒山、右側が1,700mピーク。
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釈迦ヶ岳山頂直下 12:09 東尾根を登り詰めると自然に釈迦如来像に辿りつく。お釈迦様の頭が笹原からデデンと飛び出ている光景は異様である。
周囲に登山客が何名かいるようだ。彼らの目に奇異なものとして映るのは嫌だが、ここを避けては通れない。案の定、彼らの予期せぬところからザバザバとササを漕いで現れたので少々驚かしてしまったようだ。ちょうどお昼時だから山頂は大勢の登山客で賑わっていた。北側の眺めは良好だったのだがゆっくり景色を愛でる気分にはなれず、立ち止まらずに逃げるように中岳方向に下った。
折りしもミツモチ方面に雲が発生して拡大中。黒沢にもうっすらとガスが発生しつつあった。早いところ標高1,000m付近まで下りて、日照のあるうちに残りモミジを愛でることにしよう。前山までノンストップで下った。
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前山から見る釈迦ヶ岳 12:46 以前何度か前山から釈迦ヶ岳を眺めたときの印象で、東尾根にはコメツガやシャクナゲ藪のある急な藪尾根のイメージを抱いていた。実際の尾根上はほとんどが明るいササ原で、こんなにイメージと乖離していた例はあまりない。
時間がたっぷりあるので、前山から釈迦ヶ岳林道コースを下って連絡路を辿って尚仁沢コースに出ることにした。釈迦ヶ岳林道コースを少し下ったところにある開けた気持ちの良いササ原で軽食休憩。
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| 釈迦ヶ岳林道コースの残り紅葉 13:13 このコースの下部は明るい南向きの尾根上にあるため、残りモミジがとても美しいところだ。今年も一番良いタイミングで訪れることができて満足。
林道終点に降り立つと同時に雲が広がって日照が遮られてしまった。手入れされず消滅寸前の連絡路を辿り、守子分岐から尚仁沢コースを下る。こちらは個々の紅葉はさほど目を惹かないのだが、パステルカラーがちりばめられたイヌブナ・ミズナラの原生林の雰囲気が魅力的である。
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35陸軍用地の標柱 14:09 かつての守子神社参道の杉並木跡を見ながら下っていくと、左側に赤と黄色のテープが幹に巻かれている樹木があった。昔は現在の道とは異なり、支沢を下って最奥の堰堤付近に出ていたらしいので、その道の入口を示していると思われたので下を覗いて見ると、標柱らしきものが転がっている。
苔に覆われた刻字を見るとそれは明治時代の陸軍用地を示す標柱であった。軍馬育成牧場と関係のない場所まで陸軍の管轄にあったとは驚きである。高原山の山中で見つけた陸軍用地の標柱はこれで4本目。未知の標柱がまだ幾つも山中に残されているはずだ。
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釈迦ヶ岳東尾根に興味を抱いたきっかけは、山岳仏教に何らかの関わりがあったと思われる権現沢から釈迦ヶ岳に登る修験道は存在しなかったのだろうか?という疑問であった。尾根には過去数十年の間に人間が活動した痕跡(テープ類、伐採跡、枝払い等)は皆無で、完全に自然の状態が保たれている。修験の跡を示すものも無い。尾根に取り付く踏み跡も無い。しかし、このコースは修験目的では最も魅力的であり、獣道とは思えないようなしっかりとした窪みも部分的に認められる。修験者が辿った可能性を否定も証明もできなかったが、古の様子に想いを馳せて晩秋を満喫した一日であった。
関連記録
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