| 9日は台風が来るというので山歩きなど考えている場合ではなかった。良く10日は台風一過の爽やかな秋晴れの期待が見事にはずれて雨。天気の悪い日に山に行く意味はないので床屋に行ったりして有意義に過ごし、最終日の11日に期待した。11日もあまり天気が良くなさそうだが、日中は晴れ間が期待できるとのこと。こんな時は近場で歩き残してある場所が良い。「高原山探訪」などというタイトルをHPにつけてはいるが、高原山の登山道の全てを歩いたことがあるわけではない。大入道から剣ヶ峰までのスッカン沢南尾根も未訪の場所である。こんな日は登山者が少なくて良いであろう。東電の雨量情報で雨雲の動きを見て、タイミングを見計らって高原山に向かった。 10時53分 小間々台キャンプ場駐車場から出発(標高約520m)。 つい先ほどまで雨が降っていたというのに既に駐車場に車が2台。大入道方面の登山道には先客の足跡が無かったので、キノコ探しにでも来たのであろう。高原山はもともとキノコがあまり採れないし、もっと冷え込まないとキノコの傘が形成されない。時期尚早である。
道脇の笹が濡れているであろうと合羽を着て歩き始めたが杞憂だった。つい最近矢板岳友会の方々が剣ヶ峰まで笹刈りを実施したためとても歩き易い。紅葉が始まったばかりの自然林とたっぷりと水を含んでみずみずしいミヤコザサの林床組み合わせが美しい。
11時11分 桜沢の西側の沢を渡る。 渡渉点の反対側に小さな支沢が合流しており、登山道はこの支沢に沿っている。この辺りから笹がクマイザサとなり、丈も高い。ガサガサと大型獣の移動する音が聞えたのでじっとして正体が近づくのを待った。正体はひとつがいのシカであった。体格・角共に立派な雄シカがあっというまに沢を越えて笹藪を走り抜けていくのを見てうらやましく感じた。
湿度100%で気温も高いので汗が噴き出す。たいした山ではないが、発汗するのが嫌でゆっくりとダケカンバ林の中を登っていった。山頂近くで男性2名の登山客が下ってきた。雨が降っていたので何も見えなかったのではないだろうか。
11時53分 大入道山頂到着(標高1,402.4m)。 ゴヨウツツジが山頂に至った時、頭上に青空が広がり、樹林越しに北側のスッカン沢のガスも消えたのが解った。だいたい想像していた通りで、見晴らしは良くないものの雰囲気は悪くない。しかし、山頂で写真を撮っているうちに再びスッカン沢にガスが立ち込めてしまい1,700mピークの頭しか見えなくなってしまった。しばらくガスが途切れるのを待ってみたが好転しない。登山道はスッカン沢南尾根上にあるのでどこか良い眺望の良い場所があるだろうと期待して先に進んだ。
しばらく下ると遮る物の無い絶好の展望箇所がある。剣ヶ峰に行くつもりが無くても天気が良い日ならば是非大入道の山頂から剣ヶ峰方面に少し下ってみるべきである。塩原火山のカルデラであるスッカン沢の最奥部を一望できるのである。この景色を見てこそ大入道に登る意味があると思う。ここで10分ほど待ったがいっこうにガスが消えない。真っ白の世界。ここもあきらめて先に進んだ。登山道から20m程度スッカン沢側に張り出した場所があり、そこでも良い眺望が期待できる。
13時00分 男根岩到着(標高約1,430m)。 だんだんスッカン沢のガスが消えて塩原火山のカルデラを形成する峰々がその姿を現しつつあった。なんとしても写真を撮りたくてスッカン沢側を注視して歩いていたら、エロな岩を発見。理由は特にないが気に入った。ここから少し剣ヶ峰方向に進むとまたまた絶景ポイント有り。ここでようやく念願の写真撮影となった。1,700mピークの南側の笹原とイラモミ林が思い出される。
13時18分 剣ヶ峰到着(標高約1,530m)。 ここは以前も来たことがあるが、つまらない場所。三角点も無く最高点でも無く眺望も無いこの場所を剣ヶ峰と定義したのは何故か?こんなところからさっさと山名を剥奪して矢板市最高点に授与してはどうか?
13時37分 矢板市最高点通過(標高約1,590m)。 この辺りに見られる針葉樹はイラモミの純林である。。
13時50分 八海山神社到着(標高約1,520m)。 雲海は標高1,000m付近にあり、上空の雲が切れて釈迦ヶ岳も姿を現した。熊除け鈴の音が聞え、剣ヶ峰方面から登山者が下ってくるのが見えた。こういう天気でも登る人は100名山踏破でも目指して遠くから訪れるのであろうか。景色を楽しむのではなく踏破が目的であるのは間違いない。
14時24分 小間々台に向かう遊歩道に入る。 見晴らしコースは何度も歩いたことがあるので、今回は林間コースを下ることにする。今年の2月は深い積雪の上をかんじきを履いてやっと登ったので、今回は無雪期の様子を知る楽しみがある。林間コースの途中から小間々台に直接向かうことができるというメリットもある。桜沢を渡ってすぐに桜沢に沿って小間々台に向かう道がある。分岐点の案内はないが、ピンクのテープが点々と付いている。冬場はスノーシュートレッキングのコースになっており、2月に来た時、誤ってスノーシューの跡を辿ってここまで来たことがあったためその存在を知っていた。2箇所で古い道標がある。今では利用者はいないようである。登山道の出口はキャンプ場の炊事場がある辺りである。
14時44分 小間々台キャンプ場駐車場に帰着。
八海山神社から下る途中で再び青空は雲に隠されてしまった。自分のために一瞬だけ雲を開けてもらったような気がして、つかの間の晴れ間に感謝した一日であった。
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